PiL @ SHIBUYA AX 2013.4.6. Sat.


僕にとっては、これで3回目のPiL。初めて観たのは89年の『9』ツアー武道館公演(筋肉少女帯が前座だった!)。2回目が2011年のサマソニ。再結成ピストルズを含めると、ジョン・ライドン・オン・ステージは4回目。多いのか少ないのか分からないけれど、とにかく今回がいちばん良かった!そう断言できる素晴らしいライヴでした。

ジョン・ライドンと活動を共にする現在のメンバーはルー・エドモンズ(Gt.)、スコット・ファース(B.)、ブルース・スミス(Dr.)の3人。2009年の復活からいくつものツアーと20年ぶりの新作『This Is PiL』のレコーディングを経て、今が絶好調な感じ。このメンバーでもっとアルバムを作ってもらいたいな。
オープニングは「Four Enclosed Walls」。まず、何よりも驚いたのがジョンのヴォーカリストとしてのテクニック。ヘヴィだけど、グルーヴ感たっぷりのトライバルなビートにジョンの声ががっちりと絡み合う。ファンとのコール&レスポンスもばっちり。『Flowers Of Romance』収録曲で大合唱になるなんて最高にクール!怒りや嘲りだけじゃなくて、喜びも悲しみも「叫び」に変えるジョンの表情豊かなヴォーカルに、この1曲だけで圧倒される。そして、間髪入れずに15分以上の長さにリアレンジされた「Albatross」へ。バンドは間延びすることもなく、しっかりとテンションをキープ。特にノイズから空間系まで自在にエフェクトを操るルー・エドモンズのプレイが本当にすごい。見た目は後期ジョン・レノンか狂ったキリストみたいなんだけど、元ダムドなんだよね。ギターやらバンジョーを弾きまくるその姿は、ジョンの存在感にも負けないくらい。リュート(トルコの琵琶みたいなの)まで持ち出すアイデアとプレイ・スタイルは、PiL復活の大きな原動力になったんだと思う。
ベース&ドラムスも抜群の安定感。オリジナルではベースレスだった「Flowers of Romance」もスコットのベースありバージョンにアップデートされてて、最高にカッコ良かった。大正解!
本編ラストの「Public Image」とアンコールの「Rise」では、大合唱&モッシュ!ラストはレフトフィールドとジョンの共作「Open Up」。打ち込みと生演奏を絡めたダンス・ビートで踊りまくったよ!新作からプレイされたのは、「Deeper Water」「Reggie Song」「One Drop」「Out Of The Woods」の4曲。「Lollipop Opera」も聴きたかったけどね。初期3作と新作をバランスよくまとめたセットだったと思う。革新的と言われ続けている『Public Image』『Metal Box』『Flowers Of Romance』をなんのてらいもなくアップデートして、それをしっかり聴かせる今のPiLは、キース・レヴィンやジャー・ウォブルがいた“あの頃”にも匹敵する充実っぷりだと思う。〈Set List〉
1. Four Enclosed Walls
2. Albatross
3. Deeper Water
4. Memories
5. Reggie Song
6. Disappointed
7. Warrior
8. Flowers Of Romance
9. One Drop
10. Death Disco (Swan Lake)
11. (This is Not A) Love Song
12. Public Image

  • encore-

13. Out Of The Woods
14. Rise
15. Open Up (Leftfield)

This Is Pil , from UK)

This Is Pil , from UK)

【追記】4.14.Sun.
このレポートを英訳したものが、
PiLのオフィシャル・サイトに掲載されました。
Lollipop Mob Reports
世界中のファンに届きますように!