『レヴェナント: 蘇えりし者』とサントラのこと。

アレハンドロ・G・イニャリトゥ(←あってる?かなw)監督の『レヴェナント:蘇えりし者』を観てきました。クマにどつき回されるレオ様、崖から落ちるレオ様、激流川下りにトライするレオ様…。

リアリズムを追及しすぎな映像にびっくりだけど、その重みが増せば増すほど生と死の境目があいまいになる。それは『バードマン』と似た感覚かも。
「主人公が生き残る」という物語りのルール、実話を基にしているって前提があったとしても、『Revenant』には、「生還者」のほかにも「亡霊」って意味もあるし。

雪山サバイバルを体験!ってよりも、人間のどうしようもなさを体験する2時間超え(笑)に大満足!

オリジナル・サウンドトラック盤「The Revenant(蘇えりし者)」

オリジナル・サウンドトラック盤「The Revenant(蘇えりし者)」

音楽は坂本龍一とドイツのエレクトロニカ・アーティスト、アルヴァ・ノト、そしてThe Nationalのギタリスト、ブライス・デスナーが担当している。3人の連名によるサントラも欲しくなった! アントニオ・サンチェスのドラムと映像を見事にリンクさせた『バードマン』のサウンドには本当に驚かされた。結局、サントラも買っちゃった(映像なしでもアンビエントとしても楽しめる!)からね。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

『レヴェナント』は、圧倒的な映像とキャストの演技に引き込まれて、音楽の印象はそれほど強くなかった。耳に残ったのはスコアではなくて、人間の息づかい、雪を踏みしめる足音、そして安らぎ(生)から絶望(死)までが目まぐるしく移ろう自然界の静寂と轟音。

出演者(と鑑賞者)のエモーションを増長するのではなく、映像と一体化したサウンドなのかもしれない。僕は熱心な教授のファンではないけれど、サントラだとどう聴こえるのかな? そして、やっぱりThe Nationalのブライス・デスナーにも期待! ブライスレディオヘッドジョニー・グリーンウッドと同じく、「クラシック」的なアプローチで映画音楽や弦楽四重奏楽団 クロノス・カルテットとのコラボなど、どんどん活躍の場を広げているからね。ジョニーとこんなアルバムも出しています。

Bryce Dessner: St. Carolyn By The Sea / Jonny Greenwood: Suite From

Bryce Dessner: St. Carolyn By The Sea / Jonny Greenwood: Suite From "There Will Be Blood"

僕みたいなインディー・ロックのファンでも、こんなふうに未知の音楽に触れるきっかけができるのは素敵なこと。サントラは、その入り口にぴったりだと思う。