My Best 10 Movies Of 2016

君の名は。』とか『シン・ゴジラ』とか。普段はあまり邦画を観ない僕でさえも映画館へ足を運ばずにはいられないほど、日本の映画が注目を集めた1年だった気がします。でも、その2本はそんなに良かったかな? 2016年の邦画でいちばんおもしろかったのは、実はアレでしょ? とかね!では、僕の2016年ベスト10ムーヴィーズの発表です!


10位 『スーサイド・スクワッド』(監督:デヴィッド・エアー観たあとは「あ〜、すっきりした! めちゃくちゃおもろい!」と思ったはずなのですが、各地でハーレイ・クインちゃんが多数出現したといわれているハロウィーン後はすっかり記憶がおぼろげです。ごめんなさい。ジャレッド・レト演じるジョーカーのこれからに期待!(でも、ほどほどにね…)


9位 『ヘイル、シーザー!』(監督:コーエン兄弟伊達男ジョージ・クルーニーがひっぱたかれるシーンは必見!ジョシュ・ブローリン、スカヨハ、ジョナ・ヒルなどなどキャストも素敵なコーエン兄弟によるハリウッド賛歌。でもね、コーエン兄弟には今こそ「時代/現代」と響き合う映画を作って欲しいのです。次はもっとやってくれるはず!


8位 『シン・ゴジラ』(監督:庵野秀明樋口真嗣ちりばめられたオマージュ、「あぁっ!」っと言わせるゴジラの造形はお見事。でもね、政府主体のストーリー展開が僕にはかなり退屈だった。いったんシラけてしまうと、やたら豪華な(だけな)キャストの演技がキツい。『ゴジラ』という「映画」そのものへのオマージュなのか、『ゴジラ』という「映画」が本来持っていた「意図」を汲んだ作品なのか。そのバランスが前者に傾いていたのが、少し残念でした。DVDでもう1回観たら印象変わるかな?


7位 『グッバイ、サマー』(監督:ミシェル・ゴンドリー新宿シネマカリテでは満席で観ることができなかった。本当にサマーがグッバイした11月にようやく地元の映画館で観ることができました(そのときは観客5名…)。ポンコツだけどクールなオブジェ、手書きイラスト、そして相変わらずセンスのいい音楽(ゲンズブールとの共作で知られるジャン=クロード・ヴァニエ!)が描き出す、甘くてしょっぱい少年時代。主人公のダニエルがサムライ・カットになるシーンは最高! もう少し「毒っけ」があったらよかったのに。ってのは、欲張りかな。


6位 『オデッセイ』(監督:リドリー・スコットリドリー・スコットやっぱ最高! 一人芝居でも再現できそうな密室劇の舞台は火星。シリアスに、頭でっかちになりがちな「宇宙科学映画」だけれども、ユーモアを文字通り「勇気」に変えて生き延びるストーリーにぐいぐい引き込まれました。マット・デイモンがはまってる! そして「スターマン」に涙。『オデッセイ(Odyssey=長い旅)』という邦題は、『2001年宇宙の旅』のイメージが強すぎてイマイチだと思うけどね。


5位 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(監督:ギャレス・エドワーズ「冬休みのお楽しみ〜♪」的な軽い気持ちで観に行って号泣! スター・ウォーズ・シリーズで泣いたのは初めて。『エピソード4/新たなる希望』につながる単なるスピンオフとあなどるなかれ。「はみ出し者」たちの栄光なのだ。メイン・ストーリーを見返すときに深みが増すこと間違いなし!僕はフォレスト・ウィテカーの瞳にグッときました。


4位 『この世界の片隅に』(監督:片渕須直映画という「作り物」ではなく、本当の「痛み」を感じた。僕が中学生になった頃に祖母と祖父が語ってくれた戦争の話を思い出した。戦地へ赴いた若き日の祖父、祖父の帰りを待っていた祖母。それぞれの日々と、僕がその話を聞いた夏休みのあの日の暑さが重なり合った。そして、この映画も。「大傑作!」と大声ですすめはしない。誰かにとっては、大きな傷になってしまう作品かもしれないから。向き合えるときに、向き合えばいい。歴史の中で、決してかき消されることのない日本の記憶。


3位 『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(監督:宮藤官九郎「マザ・ファッカ〜!!」クドカンの熱烈なファンではないけれど(むしろ微妙…)、この映画はめちゃくちゃおもしろかった! 『エレファント』(ガス・ヴァン・サント)や『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八)みたいな時間軸ループ方式の「生」と、グダグダな「死=地獄」の対比が素敵。そして、音楽ネタもやりすぎ手前の寸止め感が絶妙。「死」を笑うことで、「活き活き」しちゃってるのが何よりも良かった! 「この恨みハラスメント!」ってことで、じゅんこ最高! (DVD買いました。)


2位 『シング・ストリート 未来へのうた』(監督:ジョン・カーニー)アイルランド、ダブリンを舞台としたバンド小僧の成長物語。主人公の年齢も、バンドを始めた年頃も僕と同じくらいかもしれない。感情移入しすぎて、細かいストーリーはうろ覚えですが…アニキが放ったひとこと「大丈夫だ。フィル・コリンズを聴いてるヤツは女にモテない」は名言でございます。キュアーを聴いて人生を知る。それは(一部の)男子にとって、とても大事なことなのです。ダブリンなんだから、ブームタウン・ラッツへのひとことも欲しかった!


1位 『レヴェナント:蘇りし者』(監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ僕なら何回も死んでるな! ってくらいひどい目に遭わされるレオ様。めちゃくちゃがんばってます。以前、このブログにも書いたけれど、生と死の境目が曖昧になる感覚はイニャリトゥ監督の前作『バードマン』にも通じるものがある。わかったフリをさせる教訓も、目の覚めるようなカタルシスも、ここにはない。圧倒的な映像と音楽、そしてシンプルゆえに様々な解釈ができそうなストーリーだけがある。坂本龍一、アルヴァ・ノト、ブライス・デスナー(The National)によるサントラも最高でした!


というワケで、こんな感じでございます。
2016年、映画館で観ることができた作品は20本くらい。めちゃくちゃ楽しみにしていたのに見逃した作品も数知れず。『ハドソン川の奇跡』(時間がなかった)、『PK』(満席だった)、『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK』(忘れていた)、『ヘイトフル・エイト』(終わっていた)、『ジュリエッタ』(時間がなかった)、『JUNUN』(どこでやってた?)、『追憶の森』(観る気が失せた)、『ブラー ニュー・ワールドタワーズ』(DVDを買う)などなど。
君の名は。』はね、歌が大キライなので、圏外ってことで。2017年はもっとたくさん観に行かなくちゃ。「時間がない」は人生を損する言い訳でしかないからね。

『シング・ストリート』で主人公コナーくんのアニキが大プッシュするキュアーですよ。
今年もよろしくお願いしまーす!